腸活というとヨーグルトや納豆などの発酵食品が注目されがちですが、実は同じくらい大切なのが善玉菌のエサとなる「プレバイオティクス」を食事から摂取することです。
いくら善玉菌を外から取り入れても、エサがなければ腸の中で増殖・定着することができません。プレバイオティクスとは、食物繊維やオリゴ糖に代表される、善玉菌が好んで利用する食品成分のこと。これらを十分に摂ることで、すでに腸内にいる善玉菌も元気に活動できるようになります。
この記事では、プレバイオティクスが豊富なおすすめ食品を15種類紹介し、毎日の食事に無理なく取り入れるための工夫もあわせて解説します。

プレバイオティクスとは何か
プレバイオティクスとは、人間の消化酵素では分解されず、大腸まで到達して善玉菌に選択的に利用される食品成分のことです。善玉菌がプレバイオティクスを発酵する過程で、短鎖脂肪酸(酢酸、酪酸、プロピオン酸)が産生されます。この短鎖脂肪酸が腸の健康にとって非常に重要な役割を果たしています。
プレバイオティクスの代表的なカテゴリは3つあります。
- 水溶性食物繊維:イヌリン、ペクチン、β-グルカン、アルギン酸など
- オリゴ糖:フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖など
- レジスタントスターチ:消化されにくいでんぷん。冷めたご飯やじゃがいもに多い
プレバイオティクスの大きなメリットは、生きた微生物ではないため加熱しても壊れず、胃酸の影響も受けない点です。調理方法を気にせず摂取できるため、日常の食事に組み込みやすい特長があります。
野菜・根菜のプレバイオティクス食品
1. ごぼう
ごぼうはプレバイオティクスの王様とも言える食品です。イヌリンという水溶性食物繊維が非常に豊富で、ビフィズス菌のエサとして特に優れた効果を発揮します。きんぴらごぼう、ごぼうサラダ、豚汁の具として毎日の食事に取り入れやすい食材です。
2. たまねぎ
たまねぎにはフラクトオリゴ糖が豊富に含まれています。加熱しても分解されないため、味噌汁、カレー、炒め物など、あらゆる料理で活用できます。生で食べるとより多くのオリゴ糖を摂取できますが、加熱しても十分な量が残ります。
3. にんにく
にんにくもフラクトオリゴ糖が豊富な食品です。少量でも効果が期待でき、料理の風味づけとして使うだけでプレバイオティクスを摂取できます。1日1〜2片程度を目安に、炒め物やパスタ、スープなどに加えてみましょう。
4. アスパラガス
アスパラガスにはイヌリンとフラクトオリゴ糖が含まれています。春〜初夏が旬の野菜ですが、冷凍品なら通年で手に入ります。グリルやソテーにすると甘みが増して食べやすくなります。
5. 長ねぎ
たまねぎと同じユリ科の野菜である長ねぎにも、フラクトオリゴ糖が含まれています。味噌汁の具として毎日の食卓に登場させやすい食材です。

果物のプレバイオティクス食品
6. バナナ
バナナはフラクトオリゴ糖と食物繊維を含むプレバイオティクス食品の定番です。特に完熟前のやや青みが残ったバナナには、レジスタントスターチも豊富に含まれています。ヨーグルトにトッピングすれば、プロバイオティクスとプレバイオティクスを同時に摂れる「シンバイオティクス」の食べ方になります。
7. りんご
りんごにはペクチンという水溶性食物繊維が豊富です。ペクチンは善玉菌のエサになるだけでなく、コレステロールの吸収を抑える働きもあります。皮にペクチンが多く含まれるため、よく洗って皮ごと食べるのがおすすめです。
8. キウイフルーツ
キウイフルーツは食物繊維(水溶性・不溶性の両方)が豊富で、ビタミンCも同時に摂取できる優秀な果物です。グリーンキウイは不溶性食物繊維がやや多く、ゴールドキウイは水溶性食物繊維がやや多い傾向があります。
穀類・豆類のプレバイオティクス食品
9. もち麦
もち麦はβ-グルカンという水溶性食物繊維が白米の約25倍も含まれている穀物です。白米に3割程度混ぜて炊くだけで、毎食のご飯がプレバイオティクス食品に変わります。食感がもちもちして食べやすく、続けやすいのも利点です。
10. オートミール
オートミールもβ-グルカンが豊富な食品として知られています。朝食にミルクやヨーグルトと合わせて食べるのが一般的です。電子レンジで温めるだけで食べられるため、忙しい朝でも手軽にプレバイオティクスを摂取できます。
11. 大豆・大豆製品
大豆には大豆オリゴ糖が含まれており、ビフィズス菌の増殖を促進します。豆腐、豆乳、煮豆など、さまざまな形で日常的に摂取できる食品です。納豆にすれば、プロバイオティクス(納豆菌)とプレバイオティクス(大豆オリゴ糖)を同時に摂れる理想的な食品になります。
白米をもち麦入りご飯に変える、朝食にオートミールを取り入れるなど、主食を少し変えるだけで食物繊維の摂取量は大幅に増やせます。おかずを増やすより、主食の見直しの方が手軽で続けやすいです。
海藻・その他のプレバイオティクス食品
12. わかめ
わかめに含まれるアルギン酸は、水溶性食物繊維の一種です。味噌汁やサラダで毎日の食事に取り入れやすく、低カロリーなのも魅力です。乾燥わかめを常備しておけば、味噌汁の具として手軽に使えます。
13. めかぶ
めかぶはわかめの根元部分で、水溶性食物繊維(フコイダンやアルギン酸)の含有量がわかめよりも多いのが特徴です。ネバネバとした粘り気があり、そのままご飯にかけたり、納豆と混ぜたりして食べるのが一般的です。
14. はちみつ
はちみつにはオリゴ糖が含まれており、善玉菌のエサとなります。ヨーグルトに加えれば、味がまろやかになると同時にシンバイオティクスの効果も得られます。砂糖の代わりに料理やドリンクに使うのもひとつの方法です。
15. チコリ(チコリルート)
チコリの根はイヌリンの含有量が植物の中でトップクラスです。日本ではチコリそのものよりも、チコリ由来のイヌリンが添加された食品やサプリとして出回っています。チコリコーヒー(カフェインフリー)としても楽しめます。

プレバイオティクス食品を効果的に取り入れるコツ
1日の食物繊維の目標量を知っておく
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、食物繊維の1日の目標量を成人男性で21g以上、成人女性で18g以上としています。しかし現状の日本人の平均摂取量は約14g程度で、多くの方が目標量に達していないのが実情です。
プレバイオティクス食品を意識的に取り入れることで、この不足分を補うことができます。
複数の食品を組み合わせる
1種類の食品からだけ摂るよりも、さまざまな食品から多様なプレバイオティクスを摂取した方が、腸内で働く善玉菌の種類も多様になります。朝はバナナとオートミール、昼は豆腐と野菜、夜はもち麦ごはんとめかぶというように、1日を通して複数の食品を組み合わせましょう。
少量から始めて徐々に増やす
プレバイオティクスは善玉菌の発酵基質となるため、急に摂取量を増やすとガスが発生してお腹が張ることがあります。まずは少量から始めて、1〜2週間かけて徐々に量を増やしていくのが安全です。
発酵食品と一緒に食べる
プレバイオティクスの効果を最大化するには、プロバイオティクス食品(発酵食品)と一緒に食べるのが効果的です。ヨーグルト+バナナ+はちみつ、納豆+めかぶ、味噌汁+わかめ+たまねぎなど、シンバイオティクスの食べ合わせを意識してみてください。
腸疾患(クローン病や潰瘍性大腸炎など)をお持ちの方は、食物繊維の種類や量によって症状が悪化する場合があります。食物繊維の摂取量を変更する際は、主治医に相談してから行ってください。
プレバイオティクス食品に関するQ&A
Q. プレバイオティクスはサプリで摂っても良いですか?
はい、イヌリンやフラクトオリゴ糖のサプリメントも販売されており、食事だけでは食物繊維が足りない方の補助として有効です。ただし、食品から摂る方がビタミンやミネラルも同時に摂取できるため、サプリはあくまで補助として活用するのがおすすめです。
Q. レジスタントスターチって何ですか?
レジスタントスターチとは「消化されにくいでんぷん」のことで、小腸で消化されずに大腸まで届き、善玉菌のエサとなります。炊きたてのご飯にはほとんど含まれませんが、冷めたご飯やじゃがいもに多く含まれます。おにぎりやポテトサラダは、レジスタントスターチを摂りやすいメニューです。
Q. 水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のどちらがプレバイオティクスですか?
プレバイオティクスとして善玉菌のエサになるのは主に水溶性食物繊維です。不溶性食物繊維は善玉菌のエサにはなりにくいですが、便のかさを増やして排便を促進する働きがあります。両方をバランスよく摂ることが理想的です。
Q. 子どもにプレバイオティクス食品を食べさせても大丈夫ですか?
一般的な食品からプレバイオティクスを摂取する分には問題ありません。バナナ、りんご、さつまいもなどは子どもが好んで食べやすい食品です。サプリメントを利用する場合は、子ども用の製品を選び、対象年齢を確認してください。
まとめ
プレバイオティクスは、腸内の善玉菌を育てるために欠かせない栄養素です。ごぼう、たまねぎ、バナナ、もち麦、海藻類など、身近な食材に豊富に含まれているため、特別な食品を買い足す必要はありません。
大切なのは、毎日の食事の中に意識的にプレバイオティクス食品を組み込み、継続すること。発酵食品(プロバイオティクス)と組み合わせるシンバイオティクスの食べ方を取り入れれば、腸活の効果はさらに高まります。
厚生労働省のe-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」でも、食物繊維の重要性について詳しく解説されていますので、あわせて参考にしてみてください。


